呼吸

健康な成人の呼吸数は12~20回といわれています。
この回数は本によりまちまちなので、15回前後と覚えておくと良いかもしれません。
また、年齢にも大きく差があり、新生児は35~50回、乳児は30~40回、幼児は20~30回、学童が20回といわれています。
そして、健康な呼吸の仕方はゆったりとして深く雑音がない状態です。
疾患時には下記のような異常となって現われます。

短気

呼吸が多く、途切れているもので、いわゆる「息切れ」です。
実証では多くは急性で、虚証では多くは慢性病でみられます。

少気

呼吸が静かで浅く、微弱で言葉数も少ない状態です。
慢性病で虚証時にみられます。

呼吸困難のことで、口をあけて肩で息をする状態です。
実喘
発作が激しく、息が粗い、音が高い、呼出する時に気持ちがよいもの
虚喘
呼吸が弱く、音も低い、息を吸うときに気持ちがよいもの

咳嗽

咳は声があって痰がないものを指し、嗽(しわぶき)は逆に痰があって声がないものをさします。
両方あるもの、つまり痰もあり声もある状態のことを咳嗽といいます。

嘔吐

嘔は声あって物がないものをさし、吐は物があるのに声がないものをさします。
両方あるもの、つまり声も物もあるものが嘔吐といいます。
胃の気の上逆で起こります。

噯気(あいき)

噫気ともいい、おくび(げっぷ)のことをいいます。
満腹時にみられ、呑酸をともなうときは宿食や消化不良によりおこります。
そうでない時は、脾胃や肝の働きが悪いときにみられます。

吃逆(きつぎゃく)

呃逆、噦(えつ)ともいい、「しゃっくり」のことをいいます。
一般的に一過性の胃の気の上逆だが、久病に起こるときは注意を要します。

太息

嘆息(たんそく)ともいい、深い呼吸(ためいき)のことをいいます。
情志のうっ積により起こります。

呵欠(かけつ)ともいい「あくび」のことをいいます。
寒邪に冒されたときや、労倦により腎が病んだときに現われます。

噴嚏

嚏(てい)ともいい、「くしゃみ」のことをいいます。
風寒などにより、肺気が鼻に上衝したときに起こります。

鼾声

鼾(かん)ともいい、「いびき」のことをいいます。
卒中混迷時や熱が盛んなときに現われます。

難経:四難
「呼は心と肺に出で、吸は腎と肝に入る。呼吸の間に脾は穀味を受く」
心と肺の脈気は呼気のときにあわられ、吸気のときは腎と肝の脈気があわられ、脾はその中間のときにあわられるとし、五臓の脈気と呼吸の関係をのべています。