五色を診る

疾病の変化でその皮膚の色(特に顔色)にあらわれることがあります。
ひとつの色に偏るときは五行論にもとづき、その色と関係する臓がやんでいると判断します。
健康な人の皮膚の色は、季節に応じた色調を少しだけ反映します。
春であれば青味、夏ならば赤味というような色調があらわれます。

たとえば、喘息持ちの人は色が白い人が多くないですか?
腎臓が悪い人は顔が黒ずんでいませんか?
絶対にその色となることはないかもしれませんが、その傾向は強くあらわれます。

また、その皮膚の色には光沢があって明るく潤っている場合と、逆に光沢がなく艶がなくなっている色調の違う2種類があります。
たとえば「木」の「青」は「翠羽の青」と「草茲の青」があります。
翠羽とはカワセミのことで、草茲とは草をすりつぶした時の色です。
他の五行の色は以下の通りです。

赤 : 「鶏冠の赤」と「瘀血の赤」
黄 : 「蟹腹の黄」と「枳実の黄」
白 : 「豚脂の白」と「枯骨の白」
黒 : 「烏羽の黒」と「すすの黒」

それぞれの色をイメージすると艶のありなしが大きく違うことがわかると思います。
艶が良いことは気血が充実している状態であり、その後の治療効果が良く、予後が良いです。
逆に艶が悪ければ、気血が不十分ということなので、治療が長引いたり、場合によってはその病は治りません。