汗の種類

汗は心の液であり、陽気が津液を蒸化し、それが体表から出たものが汗となります。
汗の病変は、外感病と内傷病のいずれにも見られます。
汗の状況をたずねるときは、まず汗の有無をたずね、さらに汗の出る時間、その部位、汗の量などをたずねます。
よくみられる汗症には次のものがあります。

表証の汗

無汗は表実証に見られ、有汗は表虚証に見られます。

自汗

いつも汗がでており、活動後にいっそうひどくなるものを自汗といいます。
気虚、陽虚によくみられ、精神疲労、気力減退、息切れなどをともなうことが多いです。

盗汗

寝汗のことをさし、陰虚により起こるものが多いです。
不眠、手足のほてり、口や咽頭の乾きをともなうことも多くあります。

大汗

汗が多量に出ることを大汗といいます。
実熱によるものは高熱、煩渇、脈洪などをともないます。
病が危篤で生命が途絶えようとしているときに出る大量の汗は「絶汗(ぜっかん)」、または「脱汗(だっかん)」といいます。

頭汗

汗が頭部に限定して出るものを頭汗といいます。
上焦の邪熱、中焦の湿熱により起こることが多くあります。