飲食の状態

口渇、飲水、空腹感、食欲、口味、五味などをたずねて、臓腑・経絡、とくに脾胃の機能状態を診る。

食欲

食欲不振
虚証:脾胃気虚に多くみられます。顔色が悪く、倦怠などの症状をともなうことが多くあります。
実証:湿が脾胃に影響して、脾の運化作用が滞ると起こります。胸悶、腹脹、身体の重だるさ、舌苔厚膩などをともなうことが多くあります。
厭食、料理のにおいをかぐのもいやがる
傷食:胃のつかえ、腹脹、腐食臭が上逆するなどをともないます。
妊娠:悪心、嘔吐をともないます。あるいは酸っぱいものを欲しがります。
油っこい物が食べられない:肝胆の湿熱に多くみられます。胸脇苦満をともないます。
消穀善飢
食欲が旺盛であり、食後しばらくすると空腹感が起こるものをいいます。
胃熱(火)により消化機能が亢進して起こることが多くあります。
空腹感は起こるが食欲がないもの
これは胃陰の不足により、虚熱が生じて起こるものが多くあります。
口乾、舌質紅、舌苔少などをともないます。

食べる量の増減はとりわけ内傷病において、その予後を判断するうえで重要な意義があります。
食欲がなく、食べる量が少なかった者に、食欲の改善と食事量の増加が現われれば、こっれは胃気がしだいに回復してきている現われといしてとらえることができます。
逆に食欲のあった者がしだいに食欲がなっくなってくる場合は、脾胃の機能が低下してきていることです。
また慢性疾患や重病などでほとんど食欲がなかったものが、突如として暴飲暴食することがあります。
これは脾胃の気が絶えようとしている現われであり、除中といいます。