寒熱の特徴
寒熱の特徴
寒熱とは悪寒発熱のことをさします。
悪寒はいわゆる「さむ気(寒気)」のことで、暖かくしても寒気がするものをいいます。
温かくすれば寒気がなくなるとともに、風に当たったり、外気に当たるのを嫌うことは悪風といいます。
悪寒発熱
悪寒と発熱が共にあるものを悪寒発熱といいます。
悪寒が強い場合は外感病の初期であることが多いです。
外感発熱は、外邪(主に風寒、風熱)が侵入して正気と争うことにより引き起こされます。
風寒による表証では悪寒が重く発熱が軽くなり、風熱による表証では発熱が重く悪寒がかるくなります。
表証における寒熱の程度は、病邪の性質と関係があるだけではなく、正気の盛衰にも関係しています。
一般的に外邪と正気がともに強い場合、悪寒も発熱もともに強くあらわれます。
外邪と正気がともに弱いと、逆に悪寒と発熱はともに弱くなります。
外邪が盛んで正気が弱い場合、悪寒が強く発熱は軽くなりますが治りが悪くなり、逆に外邪が弱く正気が強い場合は、悪寒発熱はともに起こりません。
但寒不熱
これは寒気はするけど、発熱がない状態のことです。
寒邪の侵襲や陽虚のために温煦機能が低下することでおこります。
外感の寒邪によるものでは温めてもこの寒気はとれませんが、陽虚によるものは温めると軽減します。
但熱不寒
これは発熱はあるけど、寒気がなく、悪熱のある状態です。
一般的には裏熱証に多く見られます。
その他
発熱の程度、時間、特徴などにより、次のいくつかの熱型があります。
壮熱
高熱が続いて悪熱して悪寒のないものをいいます。
風寒が裏に入り化熱したり、風熱が裏に入り裏熱証になるとおこります。
正気が盛んで邪気が強いほど高熱となります。
これには多汗、煩燥、口渇などの症状を伴いやすい。
潮熱
毎日、一定時刻になると発熱を繰り返すものをいいます。
一般的には午後に発熱するものが多くあります。
日晡潮熱:日晡とは午後3時から5時前後を指します。
この時刻になると発熱が著明になったり熱勢が強くなるものをいいます。
腹部が硬くなり脹って痛み、大便秘結をともなうものは、胃腸の燥熱によると考えられます。
夜間潮熱:夜間に発熱が著明になるものをいいます。
五心煩熱や骨蒸発熱をともなうものは、陰液の不足(陰虚)による内熱によりおこります。
寒熱往来
悪寒と発熱が交互に出現するものをいいます。
正気と邪気が半表半裏で争っているためにおこりますので、半表半裏証の特徴です。
長期微熱
発熱の日数が比較的長く、熱は正常な体温よりやや高い程度、または患者が発熱していると感じるが体温は高くないものをいいます。
これには気虚による症状をともなう「気虚発熱」と、陰虚の症状をともなう「陰虚発熱」があります。
また瘀血の停滞によるものもあります。