肺の病症
肺の病症
肺の生理機能は気と呼吸をつかさどっており、また宣発と粛降をつかさどっています。
さらに水の通りを整えて心血の巡りも助けています。
そのため肺が病むと、これらの生理作用が障害されます。
また肺は皮毛、鼻、声と関係がありますので、肺が病むとこれらにも異常となってあらわれます。
肺の宣発・粛降の失調
宣発とは体内の濁気を体外へと排泄させることで、粛降とは自然界の清気を吸入することです。
この機能が失調する原因には外邪によるものと痰湿の停滞があり、症状としては呼吸が不利となり、咳嗽、くしゃみ、鼻閉といったことがおこります。
また、濁気を排泄するための腠理が閉塞されると汗をかけなくなります。
肺気がつまる、上逆すると喘息や咳き込みといった症状があらわれ、水がつまると痰飲が停滞したり浮腫があらわれます。
一般的に外邪によるものは、これらの症状にプラスして悪寒、悪風、発熱といった表証の症状をともいます。
肺気虚
肺の生理機能が低下した病症であるため、衛表不固と津液の輸送機能の失調があらわれます。
原因として慢性の咳や汗のかきすぎにより肺気を損傷したり、脾虚により引き起こされたりすることでおこります。
主な症状は無力な咳嗽、喘息、少気、自汗です。
肺陰虚
肺の陰液が損傷することにより虚熱が内生し、粛降機能が失調して起こります。
原因として長期にわたる咳嗽、熱病による肺陰の損傷、燥邪などです。
主な症状は、空咳、咽頭の乾き、痰は粘りがあり量は少ない、五心煩熱、盗汗です。