東洋医学を学ぶにあたり、大切なことがあります。
それは西洋医学の知識を一旦忘れることです。
生まれてから西洋医学に慣れ親しんできているので、それを忘れることはなかなか難しいですが、少しでもその知識をだそうものなら混乱すること必至です。

東洋医学には東洋医学の生理学がありますし、東洋医学の病名もあります。
そこを強引に西洋医学と結びつけて考えようとすると、無理が生じ理解に苦しみます。

たとえば有名な葛根湯。
株式会社ツムラの添付文書には

感冒、鼻かぜ、熱性疾患の初期、炎症性疾患(結膜炎、角膜炎、中耳炎、扁桃腺炎、乳腺炎、リンパ腺炎)、肩こり、上半身の神経痛、じんましん

とあります。
なかなか西洋医学から風邪と肩こり、じんましんの共通点を結びつけることは難しいでしょう。
しかし、東洋医学の観点からすると風邪の初期は太陽病期であり、またじんましんの一部は風熱の病症であり、肩こりの一部は気滞血瘀によるものであったりします。
葛根湯の表熱をとり、筋肉をほぐし、体を潤すことを考えると理にかなっています。

ある程度、東洋医学を理解するまでは西洋医学は忘れましょう。