陰陽の特徴

陰陽の対立と制約

陰陽論ではあらゆる事物を対立し、また相互に制約しあうという二つの側面があります。
陰陽とは対立的であり、また統一的な関係となります。
対立は二者の間に相反することで、統一は二者の間を制約しあいながら、同時に補完しあう関係です。
対立がなければ統一はないし、相反するものがなければ制約し、補完することもできません。

陰陽の相互依存

陰陽が対立し、統一しているというのは、両者が相互に対立し、相互に依存していることです。
一方だけが単独で存在することはありません。
上が陽、下が陰ですが、上がないと下は存在しませんし、下がないと上は存在しません。
常に一方は相対する別の一方が存在することによって自己の存在が条件づけられています。

陰陽の消長平衡

陰陽の対立と制約、相互依存は静止した不変の状態ではありません。
常にリズムを持った量的な変化が行なわれており、これを「消長平衡」といいます。
消長平衡とは陰と陽との平衡が静止的、絶対的なものではなく陰が増えると陽が減り、また陽が増えると陰が減るといったリズムを持ち、陰陽の変化で平衡を保っています。
事物は絶対的運動と相対的静止、絶対的消長と相対的平衡のなかで休まずに、発生と発展とを行なっています。

陰陽の相互転化

陰陽の転化は、相互消長によって起こる緩やかな変化ではなく、正反対の方向に変わることです。
陰が転化して陽となり、陽が転化して陰となります。
対立している陰陽は、常に対立する相手の側に転化する要素を内包しています。
新しい事物が生成されるときは同時に消滅する要素を内包していて、事物が消滅するときは新しい事物が産生する要素をはらんでいます。

春の温暖は夏の極点である夏至に向かい、寒涼へと向かう転化となります。
そして、秋の涼しさは発展して冬の極点である冬至に向かい、温暖へと向かう転化となります。


陰陽