血は主として営気と津液でつくられているため、血の過不足と運行の状態は営気と津液の生成に左右されます。
血の変調は血脈をつかさどる「心」、疏泄と蔵血をつかさどる「肝」、統血をつかさどる「脾」と深い関係にあります。

血の生成不足と消耗過多(血虚)

原因

飲食物の摂取不足による栄養失調。
脾胃の機能低下による消化吸収作用の低下。
情動の乱れによる変調。
過労、房事の不節制、慢性病による血の消耗。

病症

血が不足すると血の栄養と滋潤作用によって機能している臓腑、組織、器官に影響をあたえます。
体の感覚、運動機能の低下、視力減退、目眩、立ちくらみ、手足の無力感、心臓の拍動異常、健忘、不眠といった症状があらわれます。

血熱(けつねつ)

原因

精神的な抑鬱などの情動の変調や火邪、暑邪を受けたり、辛いもの、味の濃いものを多食することにより血の中に熱がこもり発生する。

症状

血熱となると血行が加速され、それが度を過ぎると脈外へとあふれてしまいます。
また、発熱、口渇、口苦、便秘、脈滑数などの熱症状が起こります。

血寒(けつかん)

原因

寒邪が侵襲したり寒性の飲食物を過度に摂取するとおこります。

症状

血寒となると血行が遅緩して、手足の厥冷や血瘀などがあらわれます。

血瘀(けつお)

原因

血瘀性の変調は寒性の変調が長引いたときや外傷による血の運行失調、また打撲や捻挫といった血の鬱滞が生じておこります。

症状

血瘀が生じると臓腑や経絡の流れを阻害するため、疼痛を生じます。
痛みの場所は一定となり、また増悪すると腫瘤が生じます。