西洋医学における診断というのは、医師が患者を診察してその病状から病名を決定することです。
そしてその病名をもとに治療法を決定していくことになります。
つまり、診断と治療というのは別物となります。

一方、東洋医学における診断は、病名が確定すればそれがそのまま治療法へと結びつくことになります。
たとえば「葛根湯の証」という診断名があります。
これは葛根湯という薬を飲めば、この病気は治るという診断名です。

西洋医学では病因を明らかにすることがメインですが、複雑な反応をみせる病態ではしばしば病名を確定することができません。
また、はじめての症例に対しても診断がつかないことがあり、逆に病名が決まってもその治療法が確定していないこともあります。

それに対して東洋医学は経験や直感などにより試行錯誤を繰り返しておこなってきたため、治療法が先に開発され、その治療法にはどの病態が有効であるかという発展をしてきました。
また病名が西洋医学のように細分化されているわけでなく、ある程度の数をもってまとめられています。
そのため病名からその治療法を施すことにより、患者の病からの苦痛やその嫌な気持ちから症状を和らげてあげることが可能となります。