津液の不足

津液の量が不足する病状のことで、津液の生成不足、消耗と発散の過多、排泄過多などによって生じます。

原因

生成不足の原因は飲食物の摂取不足、食べすぎなどの飲食の不節制、辛いものや熱いものを過度に摂取、情緒不安定、過労などによる脾胃の機能低下などによります。
消耗と発散の過多には過労、発熱による発汗過多、治療による発汗法、吐法、下法などの結果によるものなどがあります。
排泄過多には主として大小便の排泄過多で下痢や頻尿などによります。

症状

水分の減少となりますので、目、鼻、口唇の乾燥や毛髪の艶などがなくなります。
また皮膚の張りもなくなり、口渇、尿量の減少、便秘などが起こります。

津液の代謝と運行の失調

原因

津液の代謝と運行には肺、脾、腎、膀胱、三焦などの臓腑が作用していますので、これらの臓腑のどの生理機能が失調しても運行は妨げられます。
またこれらの臓器間の調和がなくなっても津液の運行は失調します。

病症

津液の代謝と運行が失調すると、皮膚と肌肉との間に津液が停滞して水腫を発生させます。
体内の余分な津液は代謝され尿として排泄されますが、この作用が失調すると水分が過多となります。
心悸亢進、呼吸困難、喘、下痢、関節の屈伸困難などを引き起こします。